今回は、駿河台大学の陸上部に所属している今井隆生(いまいたかお)選手についてご紹介いたします。
駿河台大学は、2021年10月24日に行われた箱根駅伝の予選会を見事8位で通過し、箱根駅伝への出場権を獲得しました。
箱根駅伝予選会の突破は大学史上初めてのことで、その日はTwitterでトレンド入りするなど大変話題になりました。
その駿河台大学の中でも特に注目を集めていたのが、今井隆生選手です。
今井隆生選手は「中学校教師」という肩書を持った31歳の異色のランナーとして多くの駅伝ファンにその名を知られており、今回の箱根駅伝予選会でも活躍をされました。
今井隆生選手とは一体どのような人なのでしょうか?
なぜ31歳という年齢で大学の駅伝に挑戦されているのか、秘密に迫るべく、今井隆夫選手の経歴やトライアスロン選手時代の記録などを調査してみました。
それでは、さっそく見ていきましょう!
今井隆生(駿河台大)のプロフィール
まず、今井隆生選手のプロフィールです。
名前 | 今井 隆生(いまい たかお) |
生年月日 | 1990年8月31日(2022年12月現在:32歳) |
出身地 | 長崎県長崎市 |
学歴 | 日本体育大学出身、駿河台大学編入 |
身長 | 165cm |
体重 | 52kg |
今井隆夫選手は現在4歳の娘さんがいらっしゃるパパなんだそうですよ!
娘さんも箱根駅伝で走るパパの勇姿を見るのが楽しみでしょうね。
今井隆生(駿河台大)の経歴は?
今井隆生選手の経歴をご紹介します。
今井隆生選手は東京都立大泉高等学校出身です。高校時代は陸上部に所属しており、箱根駅伝の出場を夢見て日本体育大学へ入学。日々練習に励んでいました。
しかし、自身が箱根駅伝で活躍できるような全国レベルの選手ではないことや、2008年の北京オリンピックで井出樹里選手が日本人のトライアスロン選手として初めて5位入賞を果たした勇姿に感動し、大学からはトライアスロンに転向をされました。
さらに、大学卒業後も実業団チーム「トーシンパートナーズ チームケンズ」に入り、競技を続けていました。
トライアスロン選手としての活躍は次に詳しく記載しておりますが、日本を代表するような素晴らしい選手でした。
ただ、トライアスロン選手は競技だけで食べていけるような華々しい職業ではなく、厳しい現実にも直面され、現役を引退されました。
現役引退後は埼玉県の中学校教師として生徒に保健体育を教えていましたが、教師として自身の力不足と箱根駅伝で走りたいという夢を諦めきれず、駿河台大学3年生に編入されています。
今井隆生(駿河台大)のトライアスロンの記録は?
続いて、今井隆生選手にトライアスロンの記録について見ていきたいと思います。
今井隆生選手は日本体育大学時代と社会人時代の実業団に所属していた時期にトライアスロンをされています。
大学3、4年生時には、関東学生トライアスロン選手権で準優勝を収め、日本学生選抜にも2度選抜されたという輝かしい実績を残されています。
また、さらなる飛躍を目指して、大学卒業後はトライアスロンの実業団チーム「トーシンパートナーズ チームケンズ」に所属されました。
今井隆生選手も当時の壮絶な練習メニューについて、”今では考えられない”と振り返っています。
トライアスロンというとかなりの体力と持久力がないと難しい競技ですよね。
当時の監督やコーチのメニューをこなすのに必死で、今思い出したらめちゃくちゃキツかった。
[スイム100m×100本] を2日連続やらされたことと、宮古島2周バイクこがされたのが一番の思い出。— Imai Takao (@T_MultiRunner) October 26, 2021
社会人1年目には関東トライアスロン選手権と日本デュアスロン選手権U23で優勝を飾り、ITU世界デュアスロン選手権U23では、8位入賞を果たした今井隆生選手。
しかし、肝心の日本選手権では23位と成績が振るわず、
「追い込んで厳しい練習を重ねたのに23位。
どう頑張ってもトップ10に入る姿が見えなかったんです」
と語るほど気持ちも沈み始め、しだいに心の糸が切れていきました。
また、トライアスロンだけでは食べていけないこともあり、現役引退を決意されたそうです。
私の監督との出会いはこの山形の大会
たまたまそこに監督がいて話をしたのが今の始まりです。
懐かしくて探したら発見。当時はトライアスロンの実業団チーム“トーシンパートナーズ チームケンズ”というチームに所属させてもらっていました
トライアスロンの練習で、スイムが弱点でひたすら泳いでたな pic.twitter.com/ljJQcVGRC7— Imai Takao (@T_MultiRunner) October 26, 2021
駿河台大の徳本一善監督とも、トライアスロン時代に出会っていたようですね!
今井隆生(駿河台大)の本職は中学体育教師!
今井隆生選手は大学時代に保健体育の教員免許を取得していたことから、現役引退後は埼玉県で保健体育の教師として働き始めました。中学校では陸上部の顧問をしていました。
強い駅伝チームを作るために各部活から足の速い人をスカウトするなど尽力されていたようです。やはり陸上のことになったら本気になるのでしょうね。
驚くことに、現在、駿河台大学の陸上部に所属している永井竜二選手(3年)は当時の今井隆生選手の教え子です。
この駅伝チームを作る時に当時バスケットボール部だった永井選手をスカウトされたようです。
かつては先生と生徒の関係性だった2人は歳の差はありますが、同じ大学の先輩、後輩として日々切磋琢磨され、今回の箱根駅伝初出場に貢献されました。
また、現役引退後も市民ランナーとして走ることを続けていた今井隆生選手。
2018年には大田原マラソンで優勝するなど実力を見せていました。
今井隆生(駿河台大)が31歳で編入した経緯は?
埼玉県の中学校で体育教師として生徒に体育、スポーツの魅力を伝えていた今井隆生選手ですが、一体どのような経緯で駿河台大学に編入するようになったのでしょうか?
今井隆生選手は、
「担任クラスの中で不登校の生徒がいました。私なりに一生懸命アプローチしましたが、結局、生徒の力になれなかった。教師として力不足を実感した。今まで勉強していなかった心理学を学んで、もっと生徒に寄り添える先生になりたいと思いました」
と自身の力不足で生徒に何もできなかった過去を語られていました。
不登校などの問題に対して、自分は関係ないといった冷たい対応を取る教師も少なくないなか、生徒を一番に考える気持ちは教師の鑑といえます。
こんな生徒想いな先生に出会えたら素敵な学生生活が送れそうですよね。
今井隆生選手は「より生徒の気持ちに寄り添える教師になりたい」と強い気持ちにより「自己啓発等休業制度」を利用して教師を休職し、心理学部のある駿河台大学に編入されました。(編入は3年生から)
また、高校時代の夢でもあった箱根駅伝の出場を諦めきれず、加えて30歳という節目の歳でもあることから、再び箱根を目指すことを決意し、陸上部に入部されました。
大学駅伝では他に類を見ない異色のランナーであり、「31歳のオールドルーキー」として駿河台大学の箱根駅伝初出場に貢献されました。
まとめ:今井隆生(駿河台大)の経歴は?本職は中学教師で箱根駅伝選手!?
今回は今井隆生選手の経歴についてご紹介をさせていただきました。
高校時代からの夢であった箱根駅伝出場を1度は断念しながらも諦め切れず、なんと30歳から再び挑戦してその夢を叶えるというドラマのようなストーリーでしたね。
また、生徒のために行動できる人情味溢れた素敵な先生でもありました。
人のために自分の安定を捨ててまで、新しい挑戦ができる人はなかなかいないのではないでしょうか。
今井隆生選手は2022年春からは教師として復帰することが決まっており、今回の箱根駅伝はまさしく最初で最後の箱根駅伝。
なにか挑戦したくてもあと1歩を踏み出せない多くの人達にとって今井隆生選手の走る姿、頑張る姿は勇気と感動を与えてくれることでしょう。
これからの活躍にますます期待ですね!